老人からのプレゼント

その時計はぼくにとってとても高価な代物だった。 粗末な腕時計をしていたことを見るに見かねて、その老人は僕にプレゼントしてくれたのだった。   「時計は国産で、正確に時を刻む者を選べ」 と、その老人は口癖のように…

続きを読む →

納豆とはちみつ

ぼくはきみの家を訪ね、その家の扉を叩く。   とんとん。   返事はない。 きみのことだからまたどこかに出かけているのだな。 いつものことだ。 渡すはずのプレゼントを手に持ったまま、ぼくはその場を立ち…

続きを読む →

老夫婦の食卓

おばあさんは毎日おじいさんのために食事を作る。   おじいさんはおばあさんの作る食事を美味しいと思ったことは一度もなかった。 おばあさんもおじいさんが美味しいと思って食事をしていないことを知っていた。 なぜなら…

続きを読む →

感情と効率

効率を求めるならパソコンに求めてほしい。 彼らに今のところ感情はない。 怒りも悲しみも葛藤も悩みも、たぶんない。 だからその分、簡潔にゴールまでたどり着ける。 無駄なことをする必要もない。   効率が悪いと責め…

続きを読む →

魚眼レンズ

目に映る珍しいものやオモシロイと思ったものを魚眼レンズで撮影しながら生活する。 何十枚も何百枚もとっているうちに、保存されたデータは魚眼写真(というのかしらないが)ばかりになる。   パソコンでそのデータをずっ…

続きを読む →