糸の向こう

手に持った紙コップの底からぴんと張られた白い糸の向こうには見知らぬ誰かがいて コップを耳に当てると糸の向こう側の生活の音が聞こえる   料理をしている音 鳥の鳴き声 車の走る音 小さな女の子の声   …

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エチケット袋

ぼくは子供のころから車酔いがひどく鬼太郎袋(と当時は呼んだ)が手放せなかった。 最近ようやく乗り物にも乗れるようになり、エチケット袋(と今は呼ぶらしい)は本来の使い方をしなくなった。 飛行機に乗るときに今でも持って帰って…

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恨みたかったんだ

やっとわかった 憎かった 悔しかった 腹が立った でもそれが自分のせいだとわかっていたから ずっと何も言えずにいたんだ 言葉にできずにいたんだ   だからあんなに スイッチを押された瞬間 体中からいろいろなもの…

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交通事故

もともとひとりは好きじゃなかった いつも誰かとなりにいたから、ひとりでいることに慣れていなかった   だけどそれを口に出すのははばかられた 格好つけていた、と言われればそうかもしれない   少し前まで…

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話す言語が違っても同じ世界を見ていたらきっとどこかで心がつながりあう 話す言葉が同じでも見ている世界が違うなら意思の疎通は難しい   狭い世界に生きていて周りと違うことを自分が自覚し始めたとき 気が付いたら人が…

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