これから来る春に思いを馳せる人々をみて、
過ぎ去ろうとしている冷たい冬は
どんな思いをしているのだろう。
悲しいのかな?
それとも役割を終えようとしてホッとしているのかな?
ありのままをただ受け入れているのかな?
冬だって好きで冬をやっているわけじゃないかもしれない。
びゅうびゅうと北風を吹かせるだけじゃなくて、
暖かくて優しい南風を届けてみたいと思っているかもしれない。
そもそも北風だって冷たくてびゅうびゅうと吹くものばかりじゃないって思ってるかもしれない。
そうだよね。
ごめん、冬。
きみに名前をつけてあげよう。
そしたらきみは特別な冬になれるかもしれない。
他の冬たちと違う、特別な冬。
きみはそれを望むかな?
ちっぽけなぼくの記憶の中だけで、
ぼくだけの名前で呼ぶささやかな特別を、
きみは喜んでくれるかな?
でもきみに名前をつけてしまったら、
これから来る冬に全部名前をつけないとかわいそうかな?
ねえ冬。
きみが去ってしまうのがこんなに悲しいのは
なんでだろう。
なんだかとても切ないんだ。
もう少しだけそばにいてくれないかな。
