娘は1歳になった。すくすくと明るく元気に育っている。風邪を引いたり胃腸炎になったりすることはあるが概ね健康だし、よく笑ってくれるのでこちらも楽しい気分にさせてくれる。
妻ともケンカ(一方的に怒られる)ことはあれど仲良く過ごせていると思う。大抵僕の至らない点に妻が腹を立て(もしくは悲しみのあまり)不機嫌になり、口数が少なくなる。整理整頓ができない、部屋をきれいにしない、などの日常生活のことから、人に対しての気遣いや振る舞いについてなど指摘されることは山ほどある。
これまでの恋愛だったら大体そういう類いの説教は聞き流してきた。時間が経てばお互いの存在になれていくものだし、相手が諦めてなんとなく合わせてもらっていたことも多くあったと思う。しかし妻の指摘にはなぜかうなずき、改善しようと思わされてしまうところがある。
妻は理屈で説明するのは苦手だが大切なことを大切にするやり方を知っている。忙しい、大変だ、やらなきゃいけない事がある、などという理由で日常にある大切なことを忘れてしまいがちになる僕に妻は行動で人を大切にする気持ちを思い出させてくれる。ああ、自分は大切なことを見失っていたかもしれない。妻に指摘された後に感じるのはそういう類いの感情だ。
と言うわけで結婚に向いていないと思われていた僕も今のところは娘を育てながら順調に家族を育んでいる。順風満帆というわけではないが、あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながらひとつひとつの問題を糧にして強固な関係を築いていけるのではないか?という期待が持てる。これもひとつの幸せの形なんだろうと客観的に思う。主観的には「わーい幸せだぜ!ヤッホー」と言う気持ちだ。

