街で見かけた古い友人

街で偶然懐かしい人とすれちがう。

あ、と思う。
日常のありふれた景色の中でも一瞬で見覚えのある顔を判別できる。
約3年ぶり。

その人は僕を憎んでいる。
少なくとも最後に話した時には、そうだった。
僕もその人のことをとても憎んでいた。

気が付くと僕はこそこそと隠れていた。
なぜだかわからないけれど。
今はまだ、会いたくないと思ったのかもしれない。

僕は建物の中に隠れたまま、
雑踏の中を歩くその人に吐息が聞こえないように息を殺す。
そんなもの聞こえるわけはないのに。

元気そうで安心した。
それが正直な感想だった。
あんなに憎んでいたはずなのに。

次に偶然があればその時は声をかけてみたい。
できれば、あと数年は会いたくない…ような気もするが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です