慟哭して暴れる男を、道路標識のような大きな鉄ハンマーで後ろから思い切り殴りつけた。
男の後頭部はくっきりとハンマーの形に陥没し、ばたりと地面に倒れてぴくぴくと痙攣していた。
私はハンマーを地面に落すと、懐に持っていた愛用のハンティングナイフを抜く。
痙攣している男の首元をしばらくナイフの先で弄びながら、
ハムをスライスするように、太い首にするりとナイフを入れた。
脂肪と血管からだらりと血液が流れる。
男はやがて、けいれんをやめ、こんにゃくのようにぐったりと横たわった。
もう意識はないだろう。
地面にめり込んだ横顔の表情が、半分だけ見てとれる。
瞳孔のひらいた眼球を5本指でつかみ、めりめりと眼窩から眼球を取り外す。
白く健康的な眼球をその場に落し、革靴のかかとでひねりつぶす。
しばらくゴリゴリという音がしていたが、低くて重い音とともにあえなく眼球は粉々に潰れる。
無残な姿になった男をわたしは無表情に見下ろしていた。
哀れで無能などうしようもない男だった。
その男は女々しかった。
甘ったるい文章を書き、大切な人に親切にしようと心掛けていた。
無能なことを誠実という言葉でごまかし、
自分自身のさみしさを愛だの恋だのという言葉でごまかした。
自分を見失って、我を忘れた愚か者。
私の一番嫌いなタイプの人間だ。
二度とこの世に戻ってくれないように、徹底的に殺してやればいい。
私は再び鉄ハンマーを手に取り、全体重をかけて、最後の一撃をその男に下す。
これで終わりだ。
哀れな男にふさわしい、みすぼらしい死に方だった。
誰にも気づかれるまま、ここでしばらく腐臭を漂わせていつか土に還るのだろう。
みじめだ。
私は淡々とそう思う。
そしてなにごともなかったかのように私はその場所を立ち去る。
あとひとり。
私には殺さなければいけない人物がいるのだ。
