中国で生活するということが日本で生活することとあらゆる意味で違うということを肌で感じる経験ができた。それが今回中国を訪問して得た最大の財産になっていると思う。
僕が訪問したのは天津という都市だ。GDPは中国国内の都市では第5位、〇〇省などとは呼ばれず直轄区として北京などと同じように国家中心都市のひとつとして存在している。羽田空港から天津航空の直行便が出ており、3時間程度のフライトで天津空港まで到着することができる。
まず天津では英語が全く機能しない。僕の発音が微妙なことを加味しても「please make my bed」が通じない。世界37か国に進出しているアメリカ発祥の外資系ホテルのフロントでの話だ。中国語が堪能な友人が同行していたので生活に不自由はなかったがあらゆる交渉、質問を自分でできない状況はもどかしいものだった。が、中国語しか受け入れない、という絶対的な天津の方々のマインドがはっきりした後は片言の中国語を勉強しようと腹をくくることができた。それはそれで有益な経験ではある。
また中国で日本人は運転しないほうが良い、というのも今回得た教訓のひとつだ。国際免許を所持していたので、レンタカーで街並みを走ってみようと思ったのだが、空港からホテルまでのタクシーに乗って早々と断念を決めた。日本での交通ルールはまず通用しない。ウィンカーなしでの割込み、急ハンドル、急ブレーキは日常茶飯事でひっきりなしにクラクションが鳴っている。噂には聞いていたが実際に目の当たりにすると迫力が違う。相当に恐ろしい。何度かタクシーに乗っているうちに(そもそもタクシー料金が安い。初乗り160円くらい)皆、運転がうまいことや彼らなりの秩序が存在することも理解できた。が、そこに参入して運転しようという気には最後までならなかった。事故になった場合もかなり厄介そうだし。
ひとことで言ってしまえば文化の違いを楽しめたし、がさつだけどパワーがある街で個人的には好きな場所だった。文化、というのは不思議なもので最初は違和感があるのだが受け入れてしまえばすっと馴染めてしまう。長年の生活の延長線上に文化が成立しているからなのだろう。日本に帰ってきてしばらくは日本で車を運転するときのマナーが良すぎて気持ち悪いと感じてしまうことさえあった。もちろん今はもう日本の文化に適応している。

