国立西洋美術館の「アルチンボルド展」に行ってきた。アルチンボルトって正直、名前も聞いたこともなかった。でも作品を目にした記憶はある。インパクトがあるから忘れられないだけかもしれないけど。いずれにしろ美術には詳しくないし、解説できるほどの文章力もないので感想だけ。
あの時代(1500年代初期)の芸術ってかなり明るくて天真爛漫な貴族の遊びだったんだな、という雰囲気を肌で感じた。芸術家ってそもそも自分と向き合う作業を突き詰める印象があるから明るく楽しい、ってイメージは皆無なんだけど、なんとなくそれを覆すような作品が多かったような気がする。
「四季」と「四大元素」、8枚の絵のどれを見たことがあったのか今となっては思い出せないが、食べ物などで人の顔を表現する代表的な作品だ。宮廷の紋章?などを隠し絵のようにひそませていたり、上下を入れ替えると別の作品になる「庭師/野菜」などの作品はユーモアにあふれていて見ていて飽きなかった。
「司書」「ソムリエ」「法律家」など人を馬鹿にしたような、皮肉が含まれた作品が個人的には楽しく思えた。アルチンボルドの感情が見えるような気がして親近感を覚えたのかもしれない。
この時代の芸術は栄華を知らしめるためのものでもあったのだろう。珍しいものを収集する感覚で絵画などもコレクションしていたらしい。コレクションなどを保管する部屋のことをクンストカンマーと呼び、その部屋のデッサンもあったが僕の目から見るとあまり趣味のよいものではなかった。悪い意味での金持ちの道楽、を体現したような部屋のように見えた。興味深い部屋だが深入りはしたくない。
美術館は本当に久しぶりに訪れたが、定期的にいろいろな作品を見るのは面白いな、と思う。背景や作者のことは何も知らないけれど、何か感じられるようなものがあるように思う。作者がどんな意図でこの作品を作ったのか、何を表現したかったのか深く下りていくと何かが伝わってくるような気がする。気がするだけなんだろうけど。

