365日

たくさんの人に出会い、別れを繰り返していくと記憶だけが上書きされていく感覚に陥る。上書きされた思い出は普段、表に顔を出すことはないが何かの拍子にふと、鮮明に記憶がよみがえることがある。

特に誰かの誕生日や記念日のようなものを僕はとりわけ覚えている。未練や執着で覚えているわけではない。忘れなければいけない記憶の中で忘れられずに取り残された記憶のかけらみたいなものだと自分では考えている。

今日、6月5日も過去に大切な日だった記憶が鮮明にある。あの頃の自分を思い出すと自分自身がどうしようもないクズに思えてくる。自分自身のことだけなら思い出したくない記憶が多い。でもその中だからこそきれいな記憶が忘れられないのかもしれない。

その思い出がどうであれ、忘れられない日、というのは人と関わってきた思い出の数だけ増えていくような気がする。良い思い出は甘酸っぱい気持ちに、そうでない思い出は心をチクリと刺すような痛みとともに、淡い記憶がよみがえってくるものだ。何事もないように平然とした顔をしながら誰にも悟られないように日常生活を送っているのだ。

きっと僕だけでなく、僕の親しい人たちもそのようにして生活しているのだろう。

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