10年前の日記を読み返している。37インチの液晶テレビを欲しがっていた。無邪気な自分がそこにいた。誰と何をしたかアルファベットで書いてる。アルファベットの人名は今でも大体覚えている。今より会う人が少なかった分、ひとりひとりに真剣に向き合っていた時代。そして最高だと思っていた伴侶のいた時代。
思い出せるアルファベットの中で今も付き合いがあるのはたったのふたり。当時、最も親しかったふたりも今はずいぶん疎遠の中だ。10年も経てばそばにいる人間がこんなにも変わってしまうのか、と愕然とする。
今いる人たちの中でどれだけの人が10年後もいてくれるのだろうと思案する。仕事で信頼している友達ひとりは思い浮かぶ。今読んでいる日記の1年後に出会った人だ。人生でワースト2にひどい時間を過ごしていた頃のことだ。腐れ縁のあやつもどんな形でもおそらく関わっているだろう。
人生であとどれだけ親しくしてくれる人に出会うだろう。たぶん片手も埋まらないんだろうな、と思う。人数は少ないが結びつきの濃い人たちだから、という自分への慰めも今となっては自分自身が本気で信じられなくなってきている。
あの頃親しかった人たちは風の噂程度にも話を聞くことはないが、皆、今も元気でやっていてほしいと思う。時間が過ぎて会うことはなくても親しかった時の思い出は消えない。少なくとも僕の記憶の中からは。

