言葉を外に発したとき
その言葉はもうぼくひとりの言葉ではなくなっていて
みんなで共有するものになっている
誰も聞いていなかったとしても
壁や空気やテントウムシは聞いているかもしれないし
彼らがほかのだれかにそのことを話してしまうかもしれない
だから文字や言葉は
慎重に外に出しましょう
出す前に本当に出してもよい言葉かどうか
きちんと考えてみましょう
というようなことをいつか誰かに言われたけれど
いまだにぼくはあまり考えずに言葉にしてしまう
それで嫌な思いをさせてしまった人は確実にいるし
その時は後悔する気持ちもあるんだけど
瞬間思いついて出る言葉は
刺身や豆腐のような足の早い食べ物のように
鮮度が命というような時もある
その時は思い切って口に出してしまうしかないのかもしれない
文章は形に残るものだから
出す前にきちんと推敲しなければいけないと思う
ぼくはそれもできていない
一度外に出してしまった文章に
目に留まった誰かが反応してくれたならば
その文章は書き手のものだけではなく
反応した人も含めてひとつの文章になっているような気がするから
