女王の犬

氷の女王の城には みすぼらしい犬が一匹いて   女王が眠りにつくころになると 女王を起こさないように 毎晩女王の隣に寄り添い 冷たい女王の体を 温めようと試みている   女王は犬の触れている部分だけ ...

熊とうさぎ

もし ぼくが ぼく自身のことを 語ることがあるなら それは きみのことを 知りたいからで   ぼくが 話せば きっと きみはうなずいたり 時々笑ったりしながら ぽつり ぽつりと まるで 探し物を探すように あち...

まちがい

怒っている人が悪い人ってわけでも、笑っている人がいい人ってわけでもない。 ぼくはトラブルばかり起こすけれど、誰かを憎んで、困らせようとして、トラブルを起こしたことなんて一度もない。 ただやり方がわからなかっただけ。笑って...

アナログメッセージ

古ぼけた小さなレコードのスイッチを押すと ターンテーブルが息を吹き返す。 針がレコードに触れる「ボッ」という音のあと 薄いノイズの中に流れる懐かしいアナログの音 時々針が飛んで 同じフレーズを繰り返すけれど 決して笑った...

枯れつつじ

家の近所に枯れてしまったつつじ?のような植物がある。 生活圏なので何気なくそのつつじの前を日常に通り過ぎるのだけれど、 昨年の初夏のある日、つつじのような植物に突然花がついていた。 鮮やかな黄色で普通のトマトくらいの大き...