外国語

海外に行く機会があり久しぶりに外国語で話をする機会があった。こう書くと昔は話せたが今はブランクがあり忘れてしまった、というようなニュアンスになるが、ぼくはいっさい外国語を話すことができない。

それでも観光程度なら片言の英語とボディランゲージ(身振り手振りのこと)で結構何とかなってきた。外国語なんで話せなくてもコミュニケーションは取れるじゃないか、なんて軽く考えていた。

 

イタリアはとても素晴らしい国だった。ローマは圧倒されて、フィレンツェはのんびりしたくなる街で、トスカーナの自然は壮大で、ヴェネチアは物語の世界だった。一部の例外は除いて、ほとんどの人は温かく接してくれた。だからこそもっとスムーズな意思の疎通としたいと思ったのかもしれない。

 

イタリアでの車の運転はその象徴だった。左ハンドル、マニュアル車のミニ・クーパーでフィレンツェの街を走っていた時のことだ。僕の車は事故による渋滞に巻き込まれていた。おとなしくその渋滞の列に並んでいたのだが、後ろのほうからやってきたヨレヨレのイタリアンおじさん(タクシー運転手)が、車を降りて交通整理を始めたらしい。お前はもっと前に出ろ、後ろに下がれ、俺はここでUターンするんだ!!とイタリア語で言っているように見えた。指示された車たちもなにやら言葉を交わしながら車を移動させていく。道の譲り合いも車の動きも、人の目を見て言葉を使って行われているようだ。

 

最初は何かにイライラしているような巻き舌のタクシー運転手の言葉にひやひやしていたがどうやらこれはデフォルトらしい。イタリアンおじさんはそのうち笑顔で知らないドライバーたちと話を始めたからだ。見ていてなんだか楽しそうだな、と思った。僕がイタリア語を話せたなら、運転中に他のドライバーと話をする機会もあったかもしれない。そう思うともう少し言葉を勉強してもいいかなと思う。

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